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【9/8 海外サイトレポートの翻訳 その4】
前回Gamespotのレポートを翻訳して頂いた、ヒカミ様がさらに「1UP FF7AC上映レポート」を翻訳して頂ました!
今までのレポートも上映内容などが良くわかるものでしたが、今回の「1UP」のレポートは上映内容がさらに詳細に書かれており、レポーターの記事内容は感銘を受けるようなすばらしいものとなっています。レポートの中でもかなりのお勧めです!
・ 1UP.com 1UPのFF7ACレポート
--- 以下にはヴェネチア国際映画際で上映された25分作品の上映内容が記載されています。
もちろん今回も激しくネタバレ!!!閲覧は十分に注意してください。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ネタバレ ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
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9/8 1UP.com のFF7AC上映内容、翻訳文。
<ボン・ジョルノ。>
場所:リドという小さな島。イタリアの都市、ヴェネツィアの沿岸沖に位置する。
イベント:ヴェネツィア国際映画祭(Mostra Internazionale D'arte
Cinematografica)
目的:スクウェア・エニックスのCG映像作品への第2の歩みであるファイナルファンタジー7アドベントチルドレンのプレミア上映を見るため。
今週末、ヴェネツィアの街もリド島も、この地域の典型的な暖かい気候と熱く明るい太陽の元で熱気に満ちていた。海から出てきたような伝説的な街であるヴェネツィアでは、週末にかけて、毎年行われるゴンドラレースが行われ、サン・マルコ広場はいつにも増して大勢の人々で賑わっていた。リド島では、映画祭にやって来たトム・ク
ルーズやジョニー・デップを一目見たい、何千人もの映画ファンや映画評論家、一般旅行客が道を埋めつくした。
しかし、1UP.comの記者はコラテラルやマンチュリアン・カンディデートを見るためにそこにいたわけではなかった。そういうことは家ででもできるのだ。我々は、映画祭への最近の招待作品である、ファイナルファンタジー7アドベントチルドレンの特別版にお目にかかるためにそこにいた。
映画祭の参加作品のひとつとしてデジタル・ エンターテイメントの新しい波への案内役を担うため、アドベントチルドレンは、スクウェアが作品の未完成版を提出することを許されたほどに、大いに期待されているのだ。完成作品のみ提出が許される中で、これは異例なことである。
ローマ広場からボートを借りて、ヴェネツィアの運河を、映画祭が行われるリド島の、太陽に照らされたビーチへと我々は進んだ。映画センターの階段を上る人々の傍を通って、報道陣のバッジを付け、この特別な場に集まった何百人もの映画ファンと共に列に並んで待った。
ずいぶん長い間待った後、アドベントチルドレンのディレクター、野村哲也氏(ファイナルファンタジー7・8・10から、パラサイト・イブ、
武蔵、バウンサー、そしてもちろん、キングダムハーツまで、全てのキャラクターデザイナー)と彼の同僚たちが、人々の波をかき分けてやって来た。うち1人は、普通のスーツケースの2倍近くの大きさの、目立つ金属のケースを持っていた。
この中に、アドベントチルドレンが大きなスクリーンに映し出されるためのハードドライブが入っていた。我々は集まった人々と共にフルサイズの劇場に入場し、ゆったりと席についた。程なく、ファイナルファンタジー7の世界を明らかにするであろう作品が上映される。
ここからは、25分間のプレビューを我々が見たまま分析する。
ネタバレを避けたい読者の方には、最後のパラグラフまでを飛ばして読むことをお勧めする。一応の警告までである。
<アドベントチルドレン>
オープニングテーマ(シリーズの音楽やサウンドトラックを手掛ける作曲者、植松伸夫氏による)に先導されて、上映が始まった。言っておくが、もちろん素晴らしい
5.1chサラウンドだ。今日のミッドガルの映像が、オリジナルのFF7のCGムービーから のカットと重ね継がれて映し出され、フェードアウトしていく(作品はFF7のエン
ディングから2年後の設定だ)。この作品と、7年前のプレイステーションのゲーム 中のオリジナルCGのクオリティーとの歴然とした差は、実際、大変よく場の雰囲気を盛り上げるが、次の瞬間視界に入ってくる、荒廃した神羅カンパニーの映像が、空気をがらりと変える。
かつて死の砲弾を空に放った巨大なキャノンは、今や大きすぎる 残骸として以前の姿を見る者に思い出させるだけだ。新生ミッドガルのバーチャルツアーが行われる中、子供の声(幼い少女、マリンのもの)が、大きな反響を呼んだファイナルファンタジーの7番目のエピソードのエンディング以降何が起きたのかを見る者に語る。
「星の命、ライフストリーム」(※1)ライフストリームの光の糸がミッドガル上空に波打つシーンを背景に、マリンが唱えるように言う。マリンが最近起きたことについてふり返り、クラウドが、物語中の宿敵セフィロスの強靱に倒れたエアリスを優しく水面に横たえるシーンの、新たに作りなおされたバージョンが流れる。ここで、見る者は物語の背景の理解を終え(ファイナルファンタジー7をプレイしたことのある者の方が、アドベントチルドレンのだいたいのストーリーを掴むのに有利だろうが)、マリンのナレーションがフェードして、プロローグは作品のオープニングクレジットと共に終わりへと近づく。
(※1)訳は「ライフストリーム。それは私たちがこの星の命の源と呼ぶものです」 ですが、公開済みのセリフなので、こう表記しました。
<ストライフ・デリバリー・サービス>
かちゃかちゃとコップや皿が音をたてる中、カメラはパンして、薄暗くほこりっぽいオフィスの掃除をしている若い女性を映し出す。どこかで電話の呼び出し音が鳴っている。
彼女こそがファイナルファンタジー7のティファだ。ティファは最後の皿をしまい、ゆっくりと電話に歩み寄って受話器を取ると「ストライフ・デリバリー・サー
ビスです」と告げる。
何者かがストライフ・デリバリー・サービスに仕事を依頼したようで、ティファは7の主人公、クラウド・ストライフはどこにいるのだろうとつぶやく。
<彼はもう一度剣を手にする>
場面は変わって、一機のバイクが、峡谷を流れる1本の川のように荒野を駆けている。
カメラがズームし、乗っている者が驚くまでもなくクラウドであることが分かる。
ティファがクラウドに依頼者を訪ねるよう連絡を取り、彼は目的地へと向かっているのだ。
ここまでの映像はすべてひとつなぎになっている。しかしここからは、現在は未完成 の本作品の中で、明らかに特徴的な出来事が、だいたいの時間軸に沿って語られる。クラウドがほこりっぽい峡谷をバイクで飛ばしていると、3機の別のバイクが激しく追跡し始める。乗っているのはカダージュと、その仲間のヤズーとロッズだ。この追跡がクラウド側の想像なのか実際の出来事なのかは明白ではないが、彼らは突然姿を消し、映像は次々とすばやく切り替わっていく。
次のシーンでは、クラウドが、ボディーガードに付き従われた車椅子の白いローブの男と言葉を交わしている。男は世界を変えたい、世界を良くしたいのだと、そしてク
ラウドの助けが必要なのだと語る。結局クラウドは、ミッドガルの再建を率いる力を持った元ソルジャーなのだ。しかしクラウドは疑いを持つ。彼は男の意見を嘲るような態度を見せ、自分にはもう誰も助けることが出来ないと暗に伝える。しかし、いくつかのシーンの後、クラウドを彼の限界へと押し出すであろう男が、カダージュという名の若い戦士であることがはっきりと明かされる。
カダージュは彼の「母」(この時点で彼の母とは誰なのかははっきりしないが)を探すという目的のもとに動いており、星痕症候群に侵された子供達がそのための鍵を握るのだ。
次のシーンは我々を、クラウドが「家」と呼ぶ、廃墟となる寸前の荒れ果てた教会へといざなう。
そこでは、植松氏作曲の、アコースティックギターが奏でる華麗な音楽をバックに、ティファとマリンが、降り注ぐ太陽の光のもとで咲く花の中を、ゆっく
りと歩いている。陽気な音楽からは、この後怒濤のように起こる出来事を想像することは難しい。ティファとマリンの姿は、カダージュが車椅子の男と「話して」いる
シーンによって中断される。車椅子の男のボディーガードたちは、カダージュに与えられたのであろう苦しみに悶えながら床に伏している。カダージュは「母」を探さねばならないことを主張し、謎の車椅子の男を「プレジデント」(※2)と呼ぶ。
一方教会では、近付く足音に振り向いたティファとマリンが、カダージュの仲間のロッズ と対峙していた。ロッズはクラウドの居場所を教えるよう迫るが、ティファは彼にすぐに出て行くよう言いながら後ずさる。侵入者にはティファの要求に従う気はなく、
戦闘が始まり、ティファは力強い攻撃で余裕を垣間見せるロッズに挑む。ティファは ロッズに強烈なパンチやキックを浴びせる(FF7をプレイしたことのある者はティファの攻撃に見覚えがあるだろう)が、筋骨たくましいロッズは、ティファの足を掴んで教会の壁に投げつける。ティファはスローモーションで猫のように壁にはりつく。CGで表現されたティファの表情は不安の色を帯び、これまでにないほどの嫌な予感を抱かせる。彼女自身、この戦いで自分に勝ち目がないことを悟っているようだ。
(※2)原文には「Mr.President」と表記されていますが、実際日本語でどう読まれたのかが分からないため、一応「プレジデント」と訳しました。「社長(さん)」な
どとも訳せると思います。
<なぜ、苦しむのはいつも子供たちなのか?>
戦闘の展開を見届ける前に、シーンはすばやくフェードして、マリンに抱かれたモーグリの人形が映し出される。彼女は薄暗い街角でぼんやりとした表情のデンゼルに質問を投げかけている。マリンは「あなたは星痕症候群なのね?」とデンゼルに問い、
彼を助けることのできる人物のもとへと彼を連れて行く。
シーンは教会へと戻り、そこで何かが起きたことを知ったクラウドが中に入ってくる。彼は花の所までやって来て、そこに倒れている者に「ティファ!」と叫びながら駆け寄る。彼は彼女を優しく抱き上げ、息があるかを確かめる。数時間後、ティファはロッズとの激しい戦闘で受けたダメージから回復し、目を覚ます。彼女が何が起こったのかを語る一方で、クラウドの内に秘めた罪の意識が、彼の本当の力を抑制していることが明らかになる。
次のシーンでは、集まった何人もの子供達に向かって、カダージュが演説をしている。
子供達は皆、星痕症候群に侵されているようだ。カダージュの指先から、魔法エネルギーが間断なく、文字どおりにじみ出し、どういうわけか星痕症候群をわずらう
者たちに触れることができる彼の内なる力が日の目を見る。彼の力が露呈されると、シーンはアドベントチルドレンの目玉に違いないあの映像へと切り替わる。
まばゆいばかりの白の中、花畑にたたずむクラウドが映し出される。 カメラはゆっくりと時計まわりに彼のまわりを回り、クラウドは己の心を打ち明ける。
彼は「俺は許されたい」と語りながら、心をそのまま打ち明けることでそこに巣食う悪魔を払おうとしているのだ。カメラはまずブーツをとらえ、次にエアリスのものであるあの赤いジャケットの裾とピンクのスカートが視界に入ってくる。2年経っ
た後でさえも、彼女の死の罪をクラウドが背負っていることは明らかだ。実体は持たないものの、彼女の魂は苦しむ主人公にアドバイスを与え、そしておそらく彼の心を慰めるために帰ってきたのだ。
劇場内が涙の気配に包まれる中、クラウドが夜の帳の降りた道を疾走しているシーンへと突入する。
辺りの景色は彼の後ろへとすばやく流れていく。道の終わりに立つカダージュと子供たちが視界に入ると、クラウドは子供たちの作る壁を避けるためにバイクから飛び降り、カダージュの足元へと投げ出される。荒れ狂うカダージュは彼の計画をクラウドに話して聞かせ、彼の剣をスパイキーな金髪をした主人公の喉元に脅すように突き付ける。
会話が熱を帯び、クラウドを切り裂くべくカダージュが剣を構える。
振り降ろされる瞬間、弾丸が刃をはね返すと、黒と深い赤が宙を踊り、クラウドを助け出す。ちょうどヴィンセントが現れ、旧友であるクラウドを時ならぬ運命から救ったのだ。クラウドと信じられないほど深みのある声のヴィンセントが、今起こっていることの意味について話していると、足音が近づいてくるのが聞こえ、クラウドは剣の柄に手を伸ばす。足音の主のマリンが現れ、クラウドに逃げずに子供たちを救うよう懇願する。ヴィンセントと少し言葉を交わした後、クラウドはできるだけのことはやってみると同意し、全てをもとに戻すために出発する。
カダージュが、これから建設されるのか崩れかけているのか定かではない、高層ビルの骨組みの上に立っている。傍には「プレジデント」と呼ばれた、非常に重い段階の星痕症候群に侵されているらしい男がいる。「星痕症候群は、体が失われたものを過度に補完しようとすることで起こる」とカダージュは説明する。これが一体何を意味
するのかはまだ明らかではないが、すでに明らかなのは、カダージュがジェノバ、つまり「母」を探しているということだ。
地上では、カダージュに操られ、猫のような瞳をしたアドベントチルドレン(※4)が円を描いて並び、混乱は頂点に達していた。カダージュは、プレジデントに最後の言葉を投げかけると、表情は凶悪な笑みへと歪ませ、青い炎をまとった手を掲げる。彼は突然振り向き、左手を空へと突き出すと、雲に向かってエネルギーの塊を発する。雲は黒く渦を巻いて降下し始め、糸のような靄と煙が、バハムートに酷似した翼の生えた巨大な召喚獣を形作る。
広場は地獄と化し、バハムートは上空から人々に攻撃を加え、ビルを丸ごと破壊し、その爪にさらわれた不運な者が泣き叫ぶ。カダージュを止めることはもはや不可能で、希望はついえたように見えたとき、ヒーローたちがついに立ち上がる。
続くシーンは言葉で表現するのは難しいが、まあやってみよう。
空中のバハムートに 向けて火を吹くマシンガンアームに次いで、バレットが初めて現れたとき、スーパー
・スマッシュ・ブラザーズのCGトレーラーを初めて見たときに感じたような感覚に襲われた。まぎれもないノスタルジアがかきたてられ、押し寄せる喜びの波に、どれほど我々が彼らを待っていたか、はなばなしい新しい光のもとで彼らの姿を見ることが
出来てどれほど嬉しいか、そして、どれほどスクウェアがこの最高のゲームの続編を もっと作ってくれたらと願っているかを思い知らされた。バレットの突然で勇敢な登場同様、バハムートの背中に飛びつくレッド13の姿や、巨大な剣を振り回すシド船長の姿も、喉が詰まるほど感動的だ。ファンサービスの最後を飾るのにふさわしく、
ものおじしない様子のユフィが現れて問う。「あたしのマテリア使ってるの、誰?」 (※5)
彼らがヒーローらしい活躍を見せている一方で、映像は、箱のようなものを抱え、 「母さん」と叫びながら花の咲く教会へとバイクを走らせるカダージュへと移り変わる。そして、崩れるビルの壁に2本の剣を突き立てるクラウドの脳裏に、ティファの声がよみがえる。2本の剣を支えにして崩れる瓦礫に突っ込んでいく彼に、ティファの声は問う。
「2年前の決戦を、強さとは何かを思い出して」
クラウドは心の中でうなずいて、その強さをもう一度見つけ出したいと思う。真実の瞬間を目の前にして、クラウドは剣を手にし、宙を舞う。木材の燃え殻が怒濤のように彼に向かって降り注ぐ中を飛ぶ。クラウドの巨大な剣がまるで空気を切るかのように岩を斬り開き、即座に彼と分かるセフィロスが、まるでクラウドに会うために舞い降りた暗黒の天使のように、降り注ぐ瓦礫の中から突如として現れる。
ファイナルファンタジー7アドベントチルドレン特別版の初めての上映は、
セフィロスの 「私は思い出にはならんよ」 というセリフと共に終わりを告げる。
(※4)「降臨した子供たち」の意。 (※5)(※1)同様、訳は「あたしのマテリアで、めちゃくちゃやってるの、誰?」ですが、公表されているセリフで当てはまるものを採用しました。
<終盤>
スクウェアがファイナルファンタジー7の続編を製作すると耳にしたとき、我々はそ れ以上ないほど興奮した。7はファイナルファンタジーシリーズの中で最も優れた作
品ではなかったかもしれないが(これについては意見が幅広く別れる)、おそらくスクウェアにとって、チョコボやモーグリと並んで最も稼げるキャラクターである、悩める主人公クラウドを含め、シリーズの歴史上最も印象深いキャラクターが多く登場した。しかし、昨年の東京ゲームショウで、続編は実はゲームではなくCG映像作品に
なると分かったとき(そして当時は45分ものとされた)、正直なところ少々へこん だものだ。かなりの進化を遂げたグラフィックで生まれ変わった、お気に入りのキャラクターを操作して遊ぶことを楽しみにしていたのだから。
明らかに、CGムービーの グラフィックが、32ビットのプレイステーションのゲームがアプローチできる範囲の数光年先を行っていると言っても、映像作品はインタラクティブにはなり得ない
し、45分間など知らない間に過ぎてしまう。全盛期には55時間強もの働きを見せたRPG(※6)の続編としては、ふさわしいとは言えないのではないか。けれどそれは取り越し苦労だったようである。アドベントチルドレンの製作が告知さ
れたとき、スクウェアは、マトリックスのようなエフェクトがかかったクラウドとセフィロスの画像と、最終的な作品がどのようなものになるのかのおぼろげなヒントを公開するだけでよかった。
スクウェアの記者会見に集まった重役たちは、作品はデジタル・エンターテイメントとなるだろうとしか漏らせなかった。何を言ってるんだ、
デジタルの時計だってボタンを速く押しさえすれば「エンターテイメント」とやらになるぞと思ったものだ。彼らは作品がゲームの形を取るのか、CGムービーの形を取るのか、その2つを合わせた不思議なものになるのか、更にはどんなハードを使うのかさえも明かせなかった(もしくは明かさなかった)。PS2で発表されるのか、複数のハードで遊べるものなのか、はたまたDVDなのか?現在はDVDの形を取ることが分かっているが、スクウェアは今も、多様な方法での公開への挑戦、大きな市場でどのよう
に宣伝するかということと奮闘している。
しかし今、アドベントチルドレンが事実、映像作品であることが公表されたが、我々の反応はかなり肯定的である。スクウェアが3年前にリリースした映画がこの作品で、あの悲惨な失敗作、スピリッツ・ウィズインでなかったなら、ファイナルファン
タジーの創始者である坂口博信氏の首は繋がっていたかもしれない。観客はベン・アフレック似の環境保護論者が地球のスピリットについて語っているのを見たかったのではなく、ツンツン頭のヒーローがブレードランナーばりの大立ち回りをやってのけ
るのが見たかったのだ。未完成とは言え、アドベントチルドレンはファンに彼らが見たいものを見せ、この25分間のプレビューの力は、FF7の続編がゲームでなく映像
作品であることへの我々の不安を取り除く。
作品の長さに関しては、多くの戦闘シーンの仕上げを行っている段階で、まだ最終的なカットも作らなくてはならないため、
アドベントチルドレンは今週末公開されたこのプレビューの4倍ほどの長さになると、野村哲也氏は語る。ということは作品は、最もメジャーな映画作品の平均的な長さである1時間半の線を突破し、当初予定されていた長さである45分の2倍以上になる。
しかし残念なことに、作品は当初の予定通りに今年リリースされることはないようだ。新しく調整されたアドベントチルドレンの発売日は、2005年の春だ。
明らかな事実ではないが、多言語での世界同時発売の可能性がネックとなり、国際市場に出すための翻訳や吹き替えが発売を遅らせたのだろう。製作チームは、ソニーから発売
されるPSP用ソフトにどれだけのものを収録するかについても、決断を下さなければ ならない。PSP専用ソフトであるUMD(ユニバーサル・メディア・ディスク)は、映像を2時間まで収録可能であると野村氏は言うが、するとDVDには付く予定の特典映像のためのスペースが、足りなくなってしまうかもしれない。
スクウェアがPSP用に2枚組ディスクで発売することも出来なくはないが、劇場でアドベントチルドレンのトレーラーを上映するかどうか、またDVD発売前に、全国公開として劇場での公開を行うかどうかを含め、今のところ何も決まっていない。スピリッツ・ウィズインの失敗のせいか、スクウェアは映画産業への進出に慎重だが、アドベントチルドレンがヴェネツィア国際映画祭に招かれ注目を集めたことで、彼らもこの姿勢について考え直す
かもしれない(アドベントチルドレンは、モントリオール映画祭にも招かれてい る)。
もしも大手の映画スタジオが、有力な提携やそのスタジオを通じた公開を申し出て、映画館での公開に伴うスクウェアの負担を軽減する助けができれば、DVDでの公開前にアドベントチルドレンを巨大スクリーンで見ることも夢ではない。しかし実現が可能と言っても、これは推論に過ぎないことを覚えておいてもらいたい。ロサンゼルスで5月に行われたE3での短いトレーラーを見て、だいたいどのようなものを見られるのかということは分かっていたつもりだが、我々はアドベントチルド
レンにすっかりやられてしまった。
映像のクオリティーは最高水準で、スクウェアの最高の想像的精神(野村氏や植松氏はもちろん、シナリオライターの野島一成氏、アートディレクターの直良有祐氏も含めて)は、作品の絶妙なテンポや、天性の才能によるドラマチックでスタイリッシュなできばえを見るに、まさにエンジン全開といったところだ。
この作品は芸術映画ではないことは我々が最初に宣言しよう。日本人は典型的に、一般的で創造性に欠ける作品を作りがちだ。アドベントチルドレンのヒロイズムも、過去の作品であるファイナルファンタジー10や、従来のRPGに現れていたような、「主人公が葛藤しながら世界を救う」という色合いを多分に洩れず帯
びている。ここで行間を読んで頂く必要はない。目の前にあるものは基本的に額面通 り受け止めて頂いて構わないのだから。しかし、このような見え見えなストーリーに
も関わらず、その効果は絶大なのである。エアリスが画面上に微かにではあるが初めて現れるとき、喉が詰まるような感覚を覚えない者は、よほどの皮肉屋(もしくは
FF7のあらすじを全く知らない者)だろう。FF7の花形役者たちが再びそろったとき、 そしてそれが彼らがそろったところを見られる最後の機会かもしれないと思ったと
き、鳥肌をたてずにいられるだろうか?
野村哲也氏の驚くほど小規模だが有能な40人のスタッフ(スピリッツ・ウィズインは、多いときで200人を越すスタッフの手によって完成された)は、ゲームファンへの究極のファンサービスとも言える作品の完成のために、努力を重ねている。最終的な完成作品を目にしたとき、誰もそれを批判することは出来ないのではないかと我々は思うのだ。しかしながら、更に賞賛すべきは、作品に対するこれだけの粋な姿勢見せ、これだけ桁外れな製作表明を行い、恐ろしいほどの影響を与えたこの開発チームにとって、ファンサービスだけでは明らかに十分ではないということだ。彼らは、ファンのために最も反響を呼んだゲームソフ
トの完全な形を提供したいと思っているに違いないが、素晴らしい映像作品を創りたいとも本心では思っているのだろう。これまでに見たものからして、彼らは正しい方向にしっかりと歩みを進めていると言えよう。
近々アップされる、ファイナルファンタジー7アドベントチルドレンの中心製作チー ム、野村哲也氏(ディレクター)、野島一成氏(シナリオライター)、直良有祐氏
(アートディレクター)のインタビューにも注目して欲しい。
(※6)意味があまりよくつかめませんでした。標準的なプレイ時間のこと?
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