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「バカタール加藤のアノ人に聞きたい!」(野村氏インタビュー:第2回)
---加藤:引き続き「KH」のお話をお伺いしますが、最新作(KH358/2Days)が大変好評です。内容はもとより、グラフィック面でもニンテンドーDSの限界を超えている印象を受けました。
野村氏:僕の中では意地だったんです。その分、発売はちょっと遅れてしまいましたけど。・・・・世の中の主流がシリアスゲーム(学習要素などに主眼を置いたソフトの総称)になっていくことに、個人的には疑問を感じていたんですよね。「そっちがメインではないだろう」という思いがあって、当然ですけど、僕が作る作品はゲームです。そういう思いというか意地が、今回は特に強かった。世の中には「ドラクエ」や「FF」といった大作だけは遊ぶというユーザーがたくさんいます。逆に言えば、その人たちも、興味さえ惹かれればゲームを遊んでくれるんです。だったら、そういう層も引き込みたい。そうじゃないと、どんどん尻すぼみになっていくとも感じています。
---加藤:そのとおりだと思います。
野村氏:ゲーム市場がどうこうという分析は別にないんです。良質なゲーム・・・・おもしろいゲームを作って出せば、みんな遊んでくれるだろうと思い込んでいるだけで。
---加藤:だから、野村さんの作品には妥協が感じられないんですよね。「KH358/2Days」だけでなく、映像作品の「FF7ACコンプリート」でも、ここまで作り直してるとは!と驚きましたから。
野村氏:いままでも、単なる移植で終わらせたことはないです。だから、会社には嫌な顔をされることが多いんですけど(笑)。確かにいまは不景気が続いて、チャレンジしにくい状況です、でも、だからこそがんばったほうがいい、と個人的には思っています。
---加藤:確かにそうですね。野村さんのすごいところは有言実行で、結果も残しているところ。映像作品にまで挑戦されて、どれだけ仕事が好きなんだ?と(笑)。
野村氏:「FF7AC」に関しては、ビジュアル単体でコンテンツができないか、という話が社内でありつつ、具体的な動きがないまま立ち消えそうだったんです。それで手を挙げたんです。立ち消えてしまうのはもったいないと思って。失敗しても「責任とって、二度とディレクターやらなければいいか」と思ってました(笑)。
---加藤:そうだったんですね。その結果として「FF7AC」ができたわけですが、あの作品は、ほかのゲームや開発チームにも影響や発展性を与えたんじゃないですか?
野村氏:鳥山(FF13ディレクター)だったり、「ディシディアFF」の開発チームだったり、みんなが"「FF7AC」みたいなバトル"を目標に置いてました。それは「よかった」と思います。ちゃんとゲームに返ってきましたから。
---加藤:それは理想的ですね。事前に予想されていたんですか?
野村氏:いえ、ぜんぜん(笑)。ただ、ビジュアルの部分で何の制限もなく、本当に自由に、好きなように表現するとどうなるのかは見てみたかったんです。ゲームのムービーだと、どうしてもゲーム本編のエフェクトなどに合わせる必要が生じてしまう。そういう制約がない状態で思い切り作ったら、みんなが「これをリアルタイムで再現してみたい」と思ってくれた。そうつながったのはうれしいです。
---加藤:なるほどー。ちょっと話は変わりますが、「KH」も「FF7」も、ひとつの世界をベースに、さまざまな物語を提示されています。それは、野村さんの中の"伝えたい"という思いの表れなのでしょうか。
野村氏:そうではないです。最初から展開を考えているわけでもありません。ただ、物語やエピソードに関して、単なる夢物語は提供したくないんです。自分に置き換えた時に「わかる、わかる」と共感してもらえるといいな、というか。多少でも身近な出来事として感じてほしいという思いはあります。
---加藤:そういう思いがあって少年、少女といった、身近に感じられるキャラクターを描くことが多いんですね、しかも、その関係性や境遇は"絵"でも表現されます。そういったキービジュアルは、どのように生まれるのですか?
野村氏:だいたい、頭の中にあるんです、シナリオを考えているときとかにその"シーン"が"絵"として思い浮かんでくる。場面ごとにそういう"絵"があるんですよね。そのほとんどは、学生時代、誰もが経験しているようなたわいのないシーンがベースなんですけど。
---加藤:「KH358/2Days」でも夕日やアイスのシーンが印象的でした。つまり、シナリオ絵も、身近に感じられるかどうか、遊び手の共感を得られるかどうかが重要なんですね。
(※次号に続く)
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[関連]
「バカタール加藤のアノ人に聞きたい!」(第1回)(The Light in Chaos:さん)
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