・ガンガン7月号 「野村哲也氏スペシャルインタビュー」
新しいジャンルかもしれないね
---早速ですが、今回のE3で『FFVIIAC』の最新トレーラーが公開されました。映像的な部分でどのような点にポイントを置いているのでしょうか?
野村氏:元々のオリジナルキャラが進化したもので、質感と空気感をリアルに感じるものを目指し、造形という点ではリアルさは求めていないですね。あとはかっこよければそれでいいかなと。演出とか、バトルのシーンもそうなんだけど、逆にあんまりリアルにはしていない。キャラの造形と同じようにデフォルメされたことをリアルな空気の中で、アニメとかマンガの手法というか、すごく大げさなことを、やらせているわけです。
---映像的に見ると、デフォルメとリアルの融合というか、ものすごく不思議な雰囲気を持った作品になっていますね。
野村氏:融合・・・まぁ融合といえば融合かもしれないね。なんとも言い難い、すごく微妙なバランスで、たぶんもっとリアルになったり、もっとデフォルメされたりすると今のバランスが崩れちゃう。単なるアニメーションとも違う、なんというか新しいジャンルなのかもしれないですね。
渋めの人たちが結構活躍しますよ。
---続いてキャラクターについてなのですが前作から引き続き登場する人々のイメージが結構変わっていますよね。
野村氏:そうですね。『FFVII』自体が1997年の作品で、それから7年経っているわけですし、キャラクター自体も作品の中で2年の時間が過ぎているわけで・・・。服がねぇ・・・2年前と同じだとお前それしか持っていないのかよと(笑)、変わっていないヴィンセントは・・・たぶん持ってないんだろうとか(笑)。ヴィンセントについては、不老不死の身体でちょっと人間とは違うのであえて同じにしてるかな。
---前作に登場したその他のキャラクターは登場するのでしょうか?
野村氏:その他のキャラは・・・はい、ここまで、って言ったらやばいよね、なんでやねんと(笑)。
『FFVII』はキャラクターの人気が高かったので、そこらへんは当然考えています。
---『FFVII』というと、渋めのキャラクターに人気が集まったイメージがあるのでが・・・例えばヴィンセントなどですね。
野村氏:そうですね、今回は結構、そういう人たちの見せ場が多いかもですね(笑)。まぁ、ただ前作でのメンバーがもう一回集まって物語りが展開するっていうのとは違う・・・。『FFVII』ていうのはトータル何十時間ていう壮大な物語でしたけど、今回の『FFVIIAC』はそれに比べるとすごい短くなっている。やっぱりかつてのメンバーがまた勢揃いってなると、大変なことになるので・・・。
---なるほど、では今作で新たに登場した3人のキャラクター、カダージュ・ロッズ・ヤズーについてなのですが、3人は銀髪など、共通の特徴を持っていますね。
野村氏:彼らは同胞というか・・・。見た目がね、髪の色も目の色もセフィロスと一緒という、なんかそのへんで関係あるんだろうな、と思っていただければ・・・関係はあるんで(笑)。目的などはまだ言えないですが、今回のトレーラーでも出てきたキーワードー、「ジェノバ」「リユニオン」「星痕症候群」とかはやっぱり彼らに関係がある。今回は彼らがメインになって物語りが展開していきます。彼らが現れたことによって2年間、平穏だったものが平穏じゃなくなってしまう。
---ちょうどお話が出たストーリーに関してなのですが、まずサブタイトル「アドベントチルドレン」というのはどのような意味でしょう?
野村氏:アドベントというのが"再臨"、チルドレンは"子供達"というのがテーマになってきます。その子供達っていうのが誰をさしているのか。普通にマリン達のような子供達もそうだし。子供達がストーリーのキーポイントになってきて、それを今回はクラウドが救済すべく、前作では星を救うための壮大な物語だったんですが、今回は子供達を助けるみたいな・・・。今回のトレーラーの最後でも出てたんですが、「クラウドはなんのために再び戦うのか・・・? 子供達のためなのか、思い出のためなのか、自分自身のためなのか・・・」、そのへんがポイントなのかな。
---「FFVII」とのストーリーのつながりはどのようになっているのでしょうか?
野村氏:前回の謎を明かすという話ではないし、どっちかっていうと、「FFVII」はあの時完結したけれども、たぶん、ユーザーの分身たるクラウドとユーザーさんの中になんとなくモヤモヤっとしたものが残っているんじゃないかなと。今、一人孤独にいるクラウドは、なぜ一人でいるのか。他にも(FF)VIIをプレイした人は引っかかってる部分があるはずで・・・。そのあたりに対して、いろんな意味でクラウドが決着を付けるのかなと。
------- FFVIIBC
ケータイゲームなのにオンラインじゃないのはおかしい!
---では続いて、E3で新たにFOMA対応のゲーム『FFVIIBC』が発表されました。企画のきっかけは?
野村氏:モバイルで何かやりたいなぁというのが始まりですね。今のケータイゲームって、ケータイは通信機器なのに、スタンドアローンなんですよね。オンラインではなく、みんなで何かをする訳ではないというのが自分としては携帯電話なのにおかしいよなというのがあって、題材として『FFVII』を選んだのは、とっかかりとしてみんなが入りやすいものということで。まずは興味を持ってもらい、やってみたいな、と思うものと考えた時、ちょうど『FFVIIAC』を進めていたこともあって何かからめてできないかなと。で、タークス側から描くというのが新しいかなと。なんというか半バーチャルのような感じで、自分にミッションが届いて、それをこなしていくという感じでやっていきたいなと。主人公もタークスのメンバーとはいえ、自分で顔を選んで、名前を付けて作ったキャラクターでプレイすることになります。実はですね『FFVII』には設定として年表が存在してて、今回はそれにそって展開してみようと思ってます。『FFVII』の6年前からスタートして、VIIの世界に近づいて、そうすることでお馴染みのキャラクター達が出てきたりとかっていう面白さもあるかなぁと。
---なるほど、では最後『FFVIIAC』の期待して欲しいポイントなど、ガンガン読者に向けて一言いただければと思います。
野村氏:今回の作品では、空気感・質感みたいなものをリアルに表現するのに力を入れました。その辺りを特に注目してみて欲しいですね。